韓ドラとソウルホテルと。

韓国ドラマのレビューブログ(基本的にネタバレ)。ときどき昔話。

彼女はキレイだった

yoonaのココがみどころ!

■流行雑誌の編集部が舞台のファッショナブルなドラマ

■子どもの頃はかわいかったのに、大人になってそうでもなくなった女と、子どもの頃は太っていてダサかったのに、大人になってイケメンになった男の物語

■Super Juniorのシウォン、コメディ演技もよいです

■単なるハッピーエンドではなく、女性がどう生きるかっていうところまで描いている

 

BSでは16話を20話で放送したので、カットなしかな?と思ってみていましたが、

ちょいちょい話が飛ぶので、やっぱりカットされてると思いましたが、面白かったです!

 

途中、15~6話くらいまでは、カットのところも見たいから、DVD借りて見直そうかな~と思ったくらいです。(結局見てない)

 

15~6話までは、というのが、ミソなんですけど。

最後の2話、ずいぶん間延びしちゃって残念でした。

それまで本当に良いテンポだったのに。

 

子どものころの初恋の相手(男の子がふとっちょで、女の子がかわいい)に、

大人になって再会したら、男の子が背の高いイケメン、しかもエリートになってあらわれたのに、

女の子の方はさえない容貌で、仕事もないっていう状況。

 

二人が離れ離れになったいきさつとかもいろいろあって、その辺の設定はうまく作ったな~という感じです。

ヘジン(ファン・ジョンウム)には超美人の同居人の親友ミン・ハリ(コ・ジュニ)がいて、彼女に身代わりを依頼したことから、話は絡まっていきます。

 

舞台は、韓国でも最高にファッショナブルな雑誌「THE MOST」編集部。

ソンジュン(パク・ソジュン)はその副編集長としてニューヨークからやってきました。

正体を知られていないヘジンはその編集部の小間使い。

「THE MOST」はライバル誌に追い抜かれていて、挽回しないと廃刊にするというNY本社の意向を覆すために、ソンジュンが来韓したということになっています。

 

普通にラブコメですから、どんな紆余曲折があろうとも、二人がうまくいって、雑誌も危機を免れるっていうのがこの話のエンディングだと絶対にわかるんですけど、

韓ドラらしく、いろんな人物のエピソードやら、邪魔者が入ってきて、そう簡単には話は進まない。

 

前半はヘジンの親友ハリのエピソードで、後半は変人のキム・シニョク記者(チェ・シウォン)のエピソードが入り込んでいます。

 

いくら久しぶりに会うからって、まったく子供のころの痕跡を残していない二人の再会、しかもお互いをまったくわからないってあるのかな~と、その変の無茶な展開がどうなるかと思っていましたが、

このハリとキム記者の存在は、このドラマをすごく面白くしました。

 ほかの脇役もけっこう曲者だらけでした~。

 

テンポよく面白いエピソードの連続だったんですが、見ているうちに気になったのが、

すごくいろんな小細工が作り込まれているな~っていうのと、

どうだ面白いだろう~っていう作り手のあざとさが見え隠れしてきて。

 

そういうエピソードを入れすぎて、話が前に進まなかったりするっていうところはありました。

でも面白いから、よし。

 

最後の2話(16話だと1.5話くらい?)が間延びしたっていうのは、

もうヘジンとソンジュンはうまくいってて、

雑誌の廃刊もなくなったのに、まだ話が続いていたところ。

そこで終わってもいいじゃんと思うのに、くだくだしてなかなか終わらなかったところですね。

 

これまでの韓ドラのように、結婚後●年とか、いらないエピソードが入っていたというよりは、

作り手の意図として、「彼女はキレイだった」っていうタイトルの意味はそうじゃないんだよっていうのがあったと思います。

 

単にヘジンは、そばかすの赤ら顔をかくして、天然パーマの髪をまっすぐにしたらキレイだったというだけではないオチ。

 

期間限定の編集部での仕事もなくなって、ニューヨークに戻るソンジュンについていくというだけの女になった自分に納得できなかったヘジンがどうするか。

恋人もできたのに、鏡をみて、「私、キレイじゃない」という彼女がキレイでいるためにはどうするかっていうのが最大のテーマだったんだなあと、最後にわかります。

(その前に、親に頼らず自分の力で生きてみると言って、キレイな服もすて、仕事も捨てて勉強を始めたハリが伏線になっていましたけど)

 

ヘジンにとっては、「童話作家になる」という夢を捨てないことが、キレイになる秘密だったようです。

さすが雑誌の副編集長でもあるソンジュンはそういう彼女を理解して、結婚の約束をしてNYに戻る。

 

あ~、ここはちょっと「ホテリアー」っぽい。

でも、ジニョンとヘジンの一番違うところは、ソウルに残った理由。

ジニョンはつぶれかけたソウルホテルのために、ここを離れられないといい、

言ってみれば、義理と人情と正義感のためだったわけですが、

ヘジンは自分の夢をかなえるために、今ついて行ってはいけないと、あくまで自分がどう生きるかが中心。

ドンヒョクは戻ってこないかも、ソンジュンは戻ってくるという状況の違いはありましたけど、

ドラマが作られた時代、その15年の差が、そのまま女性の生き方の違いに出ていました。

 

ここまで考えると、「THE MOST」の突拍子もない編集長がいつも言っていた

「THE MOSTらしく」

というのが、このドラマの真のテーマだったと気づきました。

「自分らしくいるにはどうすべきか」

それを第一に考えなくっちゃ、ということですね。

常にそれを投げかけてたんですから、あの人、編集長としてはちゃんと役割を果たしてたってわけです。

 

こういうところをちゃんとおさえてたところが、このドラマが良くできてたところだと思いました。

 

そして、ロマコメの定番路線、「2番目の男が良くないと、物語は面白くならない」というところもちゃんとおさえていました。

キム記者、いい男だったわ~。

 

チェ・シウォンはドラマファンにはどう見えているか、スマートでかっこいい役が多かったので、今回のキム・シニョク役は意外だったかもしれませんが、

Super Juniorのメンバーとしての彼を見てると、この役は納得できます。

たくわんのシーンは秀逸。

 

詰め込みすぎと思うところは、

本筋であるヘジンとソンジュンの話に雑誌の存続問題があるところに、

ハリの家庭の問題やキム記者の正体など、

それだけでもドラマになりそうな話を混ぜてきたあたりでしょうか。

 

でも、これだけネタバレしても、まだこのドラマは楽しめますよ。

小技がいっぱい効いているので、あ~これを狙ったなと思いながら見るのも楽しいですし、

ファッション誌の編集部なので、ファッションも、画面の色使いとかもしゃれています。

 

あと、ミン・ハリの職業は「ホテリアー」です!

 

編集部のジュヌ役で、ユチョンの弟、パク・ユファン君が出ていました。

いつもあんまり似てないと思っていましたが、こうして動いているのを見ると、似てますね~。

顔のラインとか鼻の形とか、そっくり!

 

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【作品メモ】

  • 韓国放送:2015年9月~ MBC
  • 演出:チョン・デユン 脚本:チョ・ソンヒ
  • 16話