韓ドラとソウルホテルと。

韓国ドラマのレビューブログ(基本的にネタバレ)。ときどき昔話。

三銃士

yoonaのココが見どころ!

アレクサンドル・デュマの名作「三銃士」とはタイトルと設定をかりただけで全然別ものの話

■三銃士というより三剣士

■仁祖の長男であり、悲劇の昭顕世子の時代設定を借りたフィクション。

■世子とダルヒャンと世子嬪の三角関係。

 

さて、「三銃士」、

吹き替えで見ましたけど、王宮の役職の名前が難しいので、吹き替えでちょうどいいかも。

 これ、意外とコメディです。

三銃士のモチーフを使いながら、暴れん坊将軍とか水戸黄門みたいな世直し話にもなってて。

 

田舎から科挙の試験のために出てきたダルヒャン(ジョン・ヨンファ)が、世子(イ・ジヌク)と、その護衛(助さんと格さん)に出会って、科挙の試験に受かって下級武士として官職を得て、王宮の争いに巻き込まれていきます。

 

この(どっちかっていうと理性的な助さん)アン・ミンソ役のチョン・ヘインがなかなかすっきりしたイケメンなんですよ~。

腕っぷしの強い格さん、ホン・スンポはヤン・ドングンさん。

 

ジヌクさんの演じる世子がすごく飄々としています。

で、ダルヒャンが将来を誓った姫ユンソが、世子嬪になってたりして、

でも夫とはうまくいってないとか、いろいろ人間関係が込み入っています。

 

韓ドラにしては珍しく12話の構成です。

 

仁祖の時代背景に、原作「三銃士」の設定を借りたまったくのフィクションなんだけど、

そこらへんは生半可な朝鮮王朝史の知識じゃよくわからないくらいです。

原作「三銃士」にならえば、剣術強いとか女好きとかいるはずなんですが、その辺は適当で、ダルタニヤンは田舎者っていう程度が同じだけです。

 

仁祖は時代的には映画「王になった男」の光海君の後の時代ですね。

仁祖の時代に、大陸の後金(後の清)に攻められたというのは本当の話で、仁祖は大敗して息子三人を人質に取られたということくらいを頭に入れておきました。

後金からの使い、ヨンゴルテ(キム・ソンミン)も実在する人物です。

 

※後日、映画「天命の城」を見たんですが、この映画の王様が仁祖で、清に大敗して屈辱をうけ、さらに息子たちを人質に差し出すっていう話でした。

 

このドラマは息子のうちの昭顕世子が人質に取られるまでの話なんですけど、

この息子はまあ、父親とはそりが合わなかったらしいです。

 

ド田舎に住む、科挙の合格を目指しているパク・ダルヒャン、恋仲だった両班の娘が世子嬪になっちゃって、でも世子には結婚前に思う娘がいて、妻には手も触れない。

つまりジヌクとヨンファは恋敵っていうか、実際にはユンソ妃を取り合ってはいないんですが、世子とユンソは結婚しているので、ダルヒャンがいくら想っていたところでどうしようもない。

 

世子は子分二人(世子の護衛武士)がいて、それを引き連れて世直しなのか世の中かき回しなのかよくわからないけど、まあ世子という地位をつかっていろいろやっていました。

そこにどうにかこうにか科挙に合格したダルヒャンが、3人の仲間に入れられてしまいます。

そうしたら恋人と思っていた女が実は世子嬪になってて、でも幸せそうじゃないっていう。

 

余談ですが、皇太子妃を世子嬪(セジャビン)っていう呼び方はかわいいですよね。

召使たちが「ピングママ~」って呼ぶのも、「宮」で一気に浸透しましたけど。

 

国は大陸の後金から攻められてて、国の中では、敵に対して気弱な王様(キム・ミョンス)を操ろうという勢力がはびこってて、世子は昔好きだった女(ミリョン)(ユ・イニョン)から狙われています。

ああ、その女にもいろいろあるんです~。今は後金のスパイみたいなことになっている。

 

このドラマはドロドロじゃなくて、悲恋です。でも、メロもあるなあ。

ジヌクさんはメロでは得意技連発です。

 

あと、痛快チャンバラドラマなところもあるし、忍者も出るっていう。

史実的には、ソヒョンは悲運の皇太子的なところもある。

パク・ダルヒャンの成長物語的なところもあります。

いやなんか、12話にしてはいろいろありましたわ。

なのですごく展開が早い。

私は週1の放送で見たんですが、たぶん一気に見たらすごく物足りないのかも。

 

全体のしつらえというか、衣装とかの色も派手なんですけど、全体的に明るさが抑えてあって、

テレビドラマの史劇ってなんとなく衣装が安っぽい感じがするときがあるんですけど、

これはそういうところがちょっとちゃんと作っているっぽくて良かったと思います。

 

あと、ダルヒャンもほかの護衛武士ももちろんそうですけど、科挙の武科に合格してるんですが、

これはもう本当に武芸の腕が立つというか、絶対負けるわけがないっていうくらい強くて、

朝鮮時代は文官の時代なので、国の上層部は文科系でなよなよした感じがしますが、この男たちは強いです!

 

ダルヒャンは、最初のころはひ弱っ子な感じでしたが、

最終話はちょっとりりしくて感動したわ。

 それと三銃士の一人、アン・ミンソ役のチョン・ヘイン君が良いです~。

「百年の花嫁」でホンギの弟をやってた子ですね!

(2018年、彼はブレイクしますが、このころが出だしです)

 

もう一人の三銃士、ホ・スンポ役のヤン・ドングンは、とてもいい味を出していました。

世子の幼馴染という役どころで、家臣でありながら、友だちっていう。

良い家の息子なので親の決めた妻がいるんだけど~。これが笑える。(これだけは見てのお楽しみ)

 

あと、女優たちは、ほかのドラマでは主役というより脇が多い人たちですが、世子嬪といいミリョン(またの名をヒョンソン)といい、このドラマではすごく好演でした。

イ・ジヌクをすごく翻弄しましたよ。

 

で、いつも、私は韓国ドラマの最後が、よけいなところが多いと言っていますが、

このドラマのオチは今までに見たこともないオチでしたよ。

全体が、年老いたパク・ダルヒャンの回想っていう形式をとっているんですが、

ま、これをつなげるなら、その先もやってよっていうか。

続きが見たいです。

 

この世子はどうやら暗殺されちゃうのが史実みたいなんですが、その辺はおいといて。

BSプレミアムの放送では、どうやらカットされてたようなのですが、

ウワサによると、続きがあるようなシーンが最後にあったそうです。

 

う~ん、作ってほしいけど、まだそのウワサはありませんね^^;

 

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【作品メモ】

  • 韓国放送:2014年8月~ tvN
  • 演出:キム・ビョンス 脚本:ソン・ジェジョン
  • 12話