yoonaのココが見どころ!
■チャン・ドンゴン、久しぶりのドラマ復帰。
■アメリカの人気ドラマのリメイク。この後日本でもリメイク。(韓国のしか見てないけど)
■面白くてとは違う意味で「目が離せない」ドラマ。
16話、ほぼ一気見しましたが、いや、疲れました。
途中から、「これ、面白いのか?」と思いながら見ていました。足の引っ張り合いばかりで。
どっちかというと、「この、(おそらく)韓国一という法律事務所で、資格を持っていないニセ弁護士がどこまで押し通せるのか」という、そこ1点で見ていました。
一流の法律事務所で、たぶん一流の弁護士たちがいて、それ、見抜けないのか、という。よほどうまく作らないとほころびが出るだろうと。
コ・ヨヌ(パク・ヒョンシク)の履歴書が人事で管理されていないし、彼は給与が支払われていないということが途中で出てきますが、それってチェ・ガンソク(チャン・ドンゴン)が個人的に報酬を払ってたの?と思いましたが、それがその後どうなったのかはわかりません。
まあ、原作ドラマがそういう設定だから、そこは曲げられなかったのでしょうけれど、ちょっと調べればわかるほどのことが、「そんなことは絶対にありえない」世界だからこそ、見抜けないのかもと思ったり。
「一度見たら忘れない」という才能を持つコ・ヨヌが、一流法律事務所であるカン&ハムのやり手弁護士であるチェ・ガンソクの助手として、事務所内外のいろんな問題を解決していくという話ですけど、法廷ドラマというより、どっちかというと、オフィス内のごたごたのほうがメイン。
今まで見たことのあるアメリカのドラマで弁護士ものは「アリー・マイラブ」くらいですけど、そういえばあれも恋愛も含め、事務所内のゴタゴタがメインでした。
原作を見ていないからどれくらい忠実にリメイクしたのかわかりませんが、いつも見ている韓国ドラマからすると、生い立ちや家族関係が描かれるのはヨヌだけで、ほかの人は一切そういうしがらみが見えないところ(事務所内の人間関係のごちゃごちゃしているのは描かれていますが)が韓ドラとしてはちょいと物足りないかなと。
チョ・ガンソクも、いつも冷静なやり手の弁護士で、他人と群れないところ、すばらしく素敵なスーツを着ているところはかっこよいのですが、よく見ているとけっこう足元をすくわれていて、それほどとびぬけたヒーローという感じじゃないです。
どっちかというと「伝説」のほうがとびぬけている。ヨヌにちょいちょい助けられていますし。
事務所内の派閥争いというか、まあ、一応頭のいい人たちの集団ということで、常に相手を出し抜こうとする人間関係は、見ていて気持ちのいいものじゃないんですが、特に一度は事務所を追われていたハム代表(キム・ヨンホ)が、執拗に事務所を乗っ取ろうとするのは、仮にも法律にかかわる人がここまで悪事を働くかなというくらい気分が悪くて、早く誰かこいつをなんとかしてくれ、と思いながら後半見ていました。
彼に比べたら、最初からガンソクにちょっかいをだしていたもう一人のチェ弁護士(チェ・グィファ)なんてかわいいもんです(けどなんで、この二人、同じ苗字にしたんだろう。制作側の遊びなんでしょうけど、紛らわしい)
女同士の嫉妬は醜いと言いますけど、大きな会社に行くと、男同士のほうがよほど見てられないというのはあると思います。男って、なかなか昔の恨みを忘れないですね。
こういう恨みつらみがどこから来ているのだろう? 普通の韓ドラならその辺の人物の背景とか生い立ちを細かく描くんですけど、このドラマでは、最初から皆「そういう人」として登場します。一流法律事務所の弁護士ってみんなそうなのか?と思うくらい。
中盤過ぎで、このドラマなんかに似ていると思いました。
「未生(ミセン)」です。
あれも本来一流商社に入る資格がないシワン君が、正社員にいびられながら契約社員として働き、成長していくというドラマでした。
シワン君も最後は正社員になれなくて会社を辞め、中東へ行きました。
課長とシワン君が、お互いを分かり合っていく過程が面白かったですが、「スーツ」では、ガンソクとヨヌのブロマンスもまた見どころでした。
ブロマンスをメインに据えると、どうも女性とのロマンスが薄く見えるんです。ガンソクもヨヌもそれぞれ女性とのロマンスもありますけど、印象としては薄いですね。
私個人的には、ホン秘書(チョ・ジョンアン)のガンソクへのすごい忠誠ぶりに、ガンソクへの「愛」が裏打ちされていると感じていましたけど、それは後半、思わぬ場面であらわになりました。
ガンソクとヨヌがホン秘書への疑いを晴らして、家に会いに行ったところで、ヨヌがホン秘書に蹴られるシーンがありましたが、ヨヌが帰った後で、ガンソクが「ところでいつから僕のことを好きだったの?」と言って、ホン秘書から蹴られるシーンがあったそうですが、BS放送ではガンソクが蹴られるシーンはカットされてました。残念。
アメリカ版も、女性陣はグラマラスなボディラインを強調した衣装で、華やかなイメージですが、アジア人はそこまでグラマラスではないので、存在が発散するセクシーさという意味では、だいぶ見劣りがします(たぶん日本版も)。
セクシーを売りにする感じがないところはいいですけどね。
カン代表(チン・セギョン)も、背が高くてスタイルがいいのですが、セクシーという雰囲気じゃないです。
カン&ハムで働くキム・ジナ(コ・ソンヒ)は、「パラリーガル」という立場ですが、今、日本人だと「パラリーガル」という職業にはちょっとクスっとするところがあるので、下っ端とはいえヨヌたち弁護士たちが大部屋にいるのに、彼女が主任という立場で個室を与えられていることにはちょっとびっくりでした。
ドラマを見ていて疲れた理由は、ちゃんと字幕を追っていないと、展開がわからなくなるところでした。
セリフ一つ一つがすごく含みを持っていて、率直な物言いでなく、遠回しだったり比喩が多いので、「え?それってどういう意味?」と思って見ていないとつながらなくなるからです。ほんとに目が離せない。
録画したものを見たので、なんど戻して見直したことか。頭のいい人たちの会話ってこうなのですかね。
ハム代表が事務所を自分のものにしようとするやり口も、相手が弁護士たちだからっていうこともあると思いますけど、周到に仕組まれています。
でも自動車会社の欠陥情報のメモの話では、ホン秘書ははめられたなということは分かったんですが、どうやってあのメモを偽造したのかはわかりませんでした。筆跡を鑑定してもいないし、ホン秘書が自分のサインだと認めたので、そこをどうやって偽造したのかはわからないんですけど、そういううやむやなところが韓ドラっぽいかも。
ドラマの序盤で、ヨヌが身代わり受験をするシーンが出てきて、そのシーンはヨヌが受けてきた理不尽な待遇の一つとして出てくるのですが、最後になって、身代わり受験をで試験に受かった相手と出会うシーンがあります。ヨヌの「一度見たら忘れない」才能がその再会を可能にして、結局事務所を救うことになったわけですが、そこはうまくできてたなあと思いました。
ヨヌが祖母に「2,3年留学する」と言いに行って、警察に自首しますが、ヨヌの留学を喜んだ祖母はヨヌが逮捕されたことを知らずに亡くなります。ヨヌは自首する前に祖母のことをガンソクに頼んでいたので、ガンソクが葬儀を整えてくれたのですが、そこはこの「頭のいい人たち同士のゴタゴタばかり」のドラマの、ちょっとしたいい場面でした。葬儀を仕切るガンソクの代わりにもう一人のチェ弁護士がヨヌの弁護士として来てくれて、ヨヌを拘置所から出してくれました。
このもう一人のチェ弁護士と、ライバル事務所のデビット・キム弁護士(ソン・ソック)は、思わぬところでちょろちょろ出てくるのですが、どうも好きになれないタイプですけど、キャラが濃くて、こういう「いい人ではない」存在はドラマを面白くします。
タイトルもそうですが、弁護士たちのスーツがとても素敵ですね。
とりわけチャン・ドンゴンさんのスーツはよけいなシワもなく、鍛えられた(たぶん)体にすごくフィットしていました。
ヨヌはガンソクにいいものを着ろと言われていて、安物のスーツを着ている設定でしたが、ヒョンシク君がモデル体型なので、それほどよれよれに見えませんでした。
中盤で、誂えのスーツを作るところがありますが、そのスーツは生地も上等そうで、かっこいいスーツでした。彼がいつも白いスニーカーを履いていてドレスダウンしているとことが、彼が本物の弁護士でないことの象徴なのかなと。
アメリカ版はシーズン8まであるそうですが、韓国版もシーズン2が期待されているとか。
ヨヌとジナの恋愛も中途半端ですし、刑務所を出たヨヌはきっと大学へ行って司法試験を受けると思いますから、その辺の話も期待できます。
ヒョンシク君の兵役が終わったらですかね。
あとすごく気になったのが、資料室。
資料の置き方が、朝鮮時代のドラマに出てくる図書室と同じですね。
書棚に寝かせて置く。日本だったらファイルに閉じて箱に入れてラベリングとかしますから、そのまま置くのはないかなあと。
これは「蹴る」シーンが出てくる。
【作品メモ】
韓国放送:2018年4月~ KBS
演出:キム・ジヌ 脚本:キム・ジョンミン
16話