以前はよく演技大賞とか映画祭の授賞式なんかをよく見ていたんだけど、
最近、リアルタイムでドラマを追えなくなっていたので、とんとご無沙汰していました。
Netflixのおかげで、「愛の不時着」「梨泰院クラス」「椿の花咲く頃」と、
最近のドラマを立て続けに観たことで、今回の百想芸術大賞は興味津々。
午後5時からYouTubeをテレビにつないで観てました。
韓国の授賞式は、日本のアカデミー賞と比べてもすごく華やか。
特に女優たちは、ここぞとばかりに、もう二度と着ないだろうドレスを身にまとい、
寒さも暑さもいとわず、目一杯ドレスアップして登場する。
もちろん、前日から何も食べていないだろうと思われるほど、おなかもすっきり、
1週間かけてエステで磨いたと思われるほど、お肌もピカピカだ。
男優たちも、なにしろ高身長で足長なので、みんなタキシードがすごく似合っていて、かっこいい。
ノミネートされた作品によって、どの女優をエスコートして登場するかもいつも話題だ。
今年は「ソーシャルディスタンス」をとって、作品ごとのテーブルはなし。
観客もなく、ノミネートされた俳優やスタッフが、間隔をあけて着席すると言う会場で開催。いや、姿勢も崩せないしとっても大変そう。
誰が受賞したとかはともかく、その衣装とヘアスタイルについて、レッドカーペットの画像を見ながら、あーだこーだ言っているだけでもけっこう楽しい。
ドラマの授賞式(演技大賞)は年末に放送局ごとに開催され、その年の自局のドラマのなかから選定される。最近はソウルドラマアワードとかも。
映画のほうは、大きい賞で大鐘賞映画祭(テジョン賞)、青龍映画祭(ブルードラゴン)、百想芸術大賞(ペクサン)が大規模な映画祭。
韓国ではいまだに、映画俳優のほうがテレビドラマの俳優よりちょっと格上っぽいところがあるが、百想芸術大賞は映画とドラマを一緒くたに集めて開催されるところが面白い。
今年の見どころは、ドラマ部門の主演男優賞に、ヒョンビン、パク・ソジュン、カン・ハヌル、ナムグン・ミン、チュ・ジフンがそれぞれヒット作をひっさげてノミネートされたこと。
いつもなら、だいたいこの人かな?と言う予想がつくのだが、今回は激戦とのことで、まったく予測不可能だった。
2,3日前に、視聴者の投票で決まる「人気賞」にヒョンビンとソン・イェジンが選出されたことがニュースになっていて、あ、これは、この二人の演技賞はないかな、と思った。
「愛の不時着」のヒット具合からいって、韓国ドラマを世界に広めた貢献度は高いけれど、主演賞はちょっとなと言うときに、この人気賞は威力を発揮するからだ。
「梨泰院クラス」は作品としては、(私的には)いまいちだったけれど、主演男優賞は俳優の演技力に与えられるものだから、作品の善し悪しにはあまり関係がない。
その証拠に映画部門の主演男優賞は、作品としてはさっぱりな「南山の部長」のイ・ビョンホンが受賞している。
だから、パク・セロイそのものだったパク・ソジュンの受賞もありかなと思っていたし、観たばかりの「椿の花咲く頃」のカン・ハヌルはどっちかって言うと、作品の良さに引っ張られていたので、受賞はどうかな~と思っていた。
じゃあ、やっぱりヒョンビンなの?と言うところだが、ナムグン・ミンの作品「ストーブリーグ」は評判が高いし、チュ・ジフンのも同様だが、いかんせん作品を観ていないので。
蓋をあけてみれば、若いカン・ハヌルの受賞。
これは本人も意外だったらしく、他の4人が高そうなタキシードを着ているのに対して、一人だけ葬式帰りのサラリーマンみたいな格好で。
でも、作品ごとにまるで別人のように変わる彼の演技を観ていたら、納得かな。
ノミネートの5人とも、それぞれが自分に合った良い作品に当たっていたので、今年受賞できなかったことは残念かもしれないけど、いや、カン・ハヌルはすごく良かったですよ。ノミネートされたほかの4人にも「椿の花咲く頃」のファン・ヨンシクをやらせたらそれぞれに面白いと思うけれど、カン・ハヌルの醸し出したなんともいえない味が良かったです。
おそらく、ヒョンビンのリ・ジョンヒョクは、誰にとってもロマンだと思うけど、
ファン・ヨンシクはどこにでもいそうなのに、あり得ないほどのファンタジーなんですよね。ただの田舎の兄ちゃんをファンタジーにした功績は大きい。
主演女優賞もソン・イェジンではなく、下馬評の高かったキム・ヒエが受賞。
「愛の不時着」の二人に人気賞をあげといて良かった、と言う結果になった。
ロングドレスの裾を翻す女優たちの中にあって、一人美脚を披露したコン・ヒョジンがへそ曲げてないといいけど。
映画賞のほうは、本場アカデミー賞受賞作品の「パラサイト」が独占かと思いきや、そうでもなかった。
自国映画がカンヌ映画祭とかでノミネートでもされようものなら、諸手を挙げて大絶賛なのだが、この辺が面白いところ。
作品に出演している子役たちの歌のシーンも感動的だった。
最初は字幕なしで見ていたので、みんなが涙ぐみだしてどうしたのかと思っていたのだが、あとからイ・ジョクの「あたり前のこと」という曲だったと知った。
4月にコロナ禍にある人々のためにSNSでだけ公開された曲だそうで、いままで当たり前であったことが、ありがたいことだったという歌詞のようだ。
■各部門ノミネートと結果はこちら↓■
https://korea.kaigai-drama-board.com/posts/843