韓ドラとソウルホテルと。

韓国ドラマのレビューブログ(基本的にネタバレ)。ときどき昔話。

都会の男女の恋愛法 シーズン1

yoonaのココがみどころ!

■ロマンスドラマで、チ・チャンウク&キム・ジウォンの競演!

■1話約30分という韓ドラらしくない「短さ」

■ストーリーと、登場人物へのインタビューが交互に出る変わった構成 

キャスティングが発表になったときから、絶対見ようと思っていたドラマ。

やっぱ、ロマンスは美男&美女じゃないと、と思ううれしいキャスティング。

「ロマンスが必要」シリーズの脚本家だということで、内容に期待も。

 

1話を見たら、すぐに終わったので、「応答せよ」シリーズのようにだんだん長くなるのかなと思ったら、最後まで1話は約30分でした。

Kakao TVでの放送だったので、モバイル向きということなのでしょう。

長い文章、長い動画、長い話は、今風ではないですね。

大学の授業、90分も面白くないとなかなかもたないようですし。

 

男女3人ずつ、3組のカップルの恋愛話でストーリーが回りますが、

ストーリーの進行と彼らへのインタビューが交互に出てくるという変わった構成です。

恋愛のその時々でどう考えていたか、どうしてそういう行動に出たのかを、

こっちに語り掛けるようにしゃべってくれる。

演技やストーリーで心情を読ませるというより、解説してくれる感じ。

 

建築家のパク・ジェウォン(チ・チャンウク)は、父親の会社に移る条件として1ヵ月の休暇を取って、襄陽(ヤンヤン)のビーチでサーフィンを楽しんでいた。

そのビーチの店で働いている”ユン・ソナ”(キム・ジウォン)と恋に落ち、二人はジェウォンのキャンピングカーで一緒に過ごすようになり、

リゾート地という非日常の中で盛り上がり、二人だけの結婚式を挙げた。

 

ある日、ジェウォンが仕事に戻れという連絡を受けてソウルに帰ることになったが、ソナはジェウォンが持っていたカメラを持ってそのまま姿を消す。

 

同時に進行するインタビューで、ソナは実はイ・ウノという名前で、ヤンヤンでは地味で平凡な自分を隠して自由で奔放な女性を演じていたことを語る。

一方のジェウォンは、ウソ偽りなく、”ソナ”を愛していたと言い、急に姿を消したことが理解できない。

 

ジェウォンのいとこ、同じ会社で働くギョンジュン(キム・ミンソク)には、恋人のイ・ソニ(ソ・ジュヨン)がいる。

ウノとソニ、小説家志望のカン・ゴン(リュ・ギョンス)は幼稚園からの腐れ縁で、男女の域を超えた友情をはぐくんでいる、という関係。

ウノが姿を消してヤンヤンにいる間、ウノの家を守っていたゴンは、ウノが戻るとそのまま同居するようになるが、二人の関係は単なる同居人だ。

もう一人の登場人物は、カン・ゴンの別れた彼女、体育教師のオ・ソニョン(ハン・ジウン)である。

 

ドラマのタイトルに「都会の~」とあるが、この6人の設定、暮らし方、恋愛に対する考え方がいかにも「都会っぽい」ということなのだろう。

田舎暮らしでは何かとしがらみがあって、こういう話は描けないかも。

(ジェウォンの父親以外)誰も家族も出てこないから、親も彼らの生き方に干渉しない。

 

ウノがジェウォンの前から姿を消したのは、ジェウォンのいとこがリニの恋人のギョンジュンであることがわかり、ジェウォンにヤンヤンとは違う自分の本当の姿がばれることを恐れたから。

いつもの韓ドラなら、この辺は時間をかけて描かれるところだが、モバイルドラマという性質上だからか、そのあたりをウノへのインタビューで簡単に説明している。

展開が早いところがモバイル風というか。

 

ウノがなぜ、偽名を使ってヤンヤンにいたのかは、後々わかることになるが、とにかく、突然姿を消したこと、偽名を使っていたこと、ジェウォンのカメラを持って行ったことを、ジェウォンは簡単に理解することができない。

カメラが盗まれたのなら、警察に行けば探してくれると思うジェウォンは、酔うたびに警察に駆け込み、「ユン・ソナを探してくれ」と管をまくようになる。

 

1年して、ソウルで再会する二人は、(はたから見ると)明らかにお互いに心を残しているのに、真実を知りたいジェウォンと、真実を語りたくないウノはすぐに元に戻ることができない。

 つきあいが順調なギョンジュンとリニにも、お互いを理解できないところがある。根はまじめなギョンジュンには、リニが定職につかず、アルバイトを転々としているところが気に入らない。

 ゴンとソニョンは、お互いの恋愛観を理解できずに別れることになるが、お互いに未練を残している。

 

誰にも、「どうしてそうなったのか」「なぜそう考えるのか」ということには、一言では言えない長い事情があるのだが、表面的に二人の間がうまくいっている間は、そういうことに触れずにすんでしまうものだが、ちょっとしたことをきっかけに理解が及ばないことになってしまう。

 

ロマンスドラマの肝は、ここにありますね。この「相手への理解」をどうするか。

そして、恋愛とは同時に「自分を知る」ことでもあり、理性に反して相手を忘れられない自分をどうやって自分で納得するかということ。

 

どのロマンスドラマもそこのところは大きく変わりはなく、主役二人の設定、性格付け、出会い方やなどをどうするかという味付けの違いで、ストーリーが決まってくるだけなのだが、

このドラマも、インタビュー部分がなかったら、ほかのロマンスドラマと違った味わいを出すことができなかったかもしれない。

登場人物たちの背景が作りこまれているために、やっぱり1話約30分では語りきれないところがあると思うし、時間の制約の中で、どうしたらその辺をカバーできるかを模索した結果なのかなあと思う。

 

「ロマンスが必要」と同様、このドラマもシーズン制だそうで、「私の愛しいカメラ泥棒」というサブタイトルがついている。

ゴンとソニョンは別れたけれど、未練を残しているし、ギョンジュンとリニの二人は、お互いの価値観がすれ違ったところで終わっているので、同じキャストでやるのかなあ。どうだろう?

 

あ、あと、SHINeeのミノ君。きまじめな町の警官役で出ていたけれど、最後になって、「出ていた意味」が分かった。その恋愛の先も気になる。

 

www.youtube.com

 

1話の放送時間やインタビューという形式だけではなく、ほかにも「新しい試み」と思えるものが随所に出てくる。

「そんな人どこにいる?」とかいうセリフだったかなあと思うが、「Netflixで見られます」というフリップが入ったり、

これまで韓国ドラマではたびたび問題になっていたPPL(間接広告)も、堂々と、「PPL」と表示して見せたり、

いろんな状況を逆手にとって思わずくすっと笑わせてくれる。

 

【作品メモ】

韓国放送:2020年12月~

演出:パク・シヌ 脚本:チョン・ヒョンジョン

全17話