yoonaのココがみどころ!
■ナムグン・ミンは今度もちょっと変わった性格の人。
■プロ野球球団の話だけど、野球に詳しくなくても、財閥の話に置き換えられる。
■ロマンス一切なし。
春から夏、昨年は秋深くまで、野球シーズンはずっと野球をテレビで見ていたので、
野球シーズンが終わったら、まずこれを見ようと思っていたドラマ。
「ストーブリーグ」とは、野球をやっていない時期=冬の寒い時期にある、
次期シーズンに向けた選手の獲得や年俸交渉などの、
選手とフロント(球団の運営サイド)との熱い戦いのことをいう。
これを題材にしたハリウッドの「マネーボール」という映画があって、
弱いチームの球団経営を数字を使って立て直すGM(ジェネラルマネージャー)役を、ブラッド・ピットが演じていた。これは実話をもとにしている。
ちょっとそれの二番煎じ的なところはある。
韓国の球界のことはよく知らないが、ほぼ日本の野球界のことになぞらえてみればよいみたい。
ただし選手の年俸は、「0」が一つ違うくらい差があるようだ。
年俸交渉の話になって、最初は単位が「円」なのかと思ったら、「ウォン」と字幕に出る。実績のある選手に「5,000万ウォン」と言っていて、ちょっと驚いた。
日本ではドラフト1位なら1,500万円が相場だ。
ちなみに年俸が600万円くらいの選手でも、1軍登録されてると、「1軍最低保証」といって年俸1,600万円換算で、日割りで支給されるそうだ。
球団は、球団を所有しているオーナー企業があって、球団はその傘下で会社組織となっている。社長がいて、その下に現場を担当するGMがいる。
舞台となるドリームズは万年最下位の弱小チーム。
親会社は地方都市でショッピングセンターやホテルなどのサービス業を所有するジェソングループで、赤字続きの球団を手放したいと考えている。
新しいGMとしてやってきたのは、これまでさまざまなスポーツで優勝チームを作り上げてきたペク・スンス(ナムグン・ミン)である。
なぜか優勝させると廃部になるというジンクスがある。
このジンクスがあることで、ドラマを見ているうちに、ドリームスは優勝できるんではないかと思い始めるが、その一方で、優勝したら球団がなくなるのでは?という不安が常に付きまとうようになる。
ペクGMは、これまで誰もやらなかったような改革に次々に乗り出す。
フロントのスタッフや選手、親会社から反感を買いながらも、その真意がわかると、徐々に味方を作りだす。
親会社での微妙な立ち位置ゆえに、ペクGMとバチバチに対立するクォン常務(オ・ジョンセ)の、それなんの意味があるの?という嫌がらせがこれでもかというほど押し寄せてくる。
トレード、年俸交渉、薬物疑惑、賭博問題、選手のけが、選手獲得に関連する賄賂問題、キャンプ地問題、おまけに兵役逃れ問題まで。
なかなか1回のオフシーズンでは、これだけの問題は起きないと思われるが、およそプロ野球球団でこれまで問題になったようなことは、すべて起こってくる。
一つ一つをペクGMは、顔色一つ変えずに処理していく。
それを見ているフロントスタッフたちは、対照的に喜怒哀楽が激しく、野球(仕事)に対する熱を感じるが、ペクGMからは一向に野球に対する熱は感じられない。
ブラピが演じたGMは元メジャーリーガーだったが、ペクGMは野球をやったことがない。
選手はもちろんだが、野球の仕事に関わっている人というのは、野球をものすごく好きな人が多い、と思う。
ペクGMは本当にお金のためだけにGMの仕事をしているのか、いつどうやってこの仕事に「熱」を持ち始めるのかというのが、観ていて一番気になるところだった。
ただ一つ野球とのかかわりと言えば、弟のヨンス(ソヌ・ソン)が学生時代に野球をやっていて、けがを隠してプレーをしていたことでけがをし、車いすの生活になったことくらいだ。(それで彼は、プロ野球球団の仕事をすることはちょっとためらっていた)
ヨンスの調子が悪いことを知っていたスンスは、弟がプレーすることを止めなかったことを悔いて、弟が一人立ちできるように、会計士の勉強をさせていたが、
ヨンスは実は野球分析の人気ブロガーで、ドリームズがデータ分析の専門家を募集すると、応募してきてフロントの一員となる。
短いオフシーズンに、あまりに多くの事件を盛り込んだせいか、他の韓国ドラマに比べると、一人ひとりのキャラクターの背景を深堀りするという話ではなく、
球団オーナー、フロント、監督・コーチ・選手・スタッフという、一つの組織の中でまったく違う立場を持つ集団が、どうやって様々な困難に立ち向かったかというドキュメント的なつくりになっている。
運営チームのイ・セヨン(パク・ウンスク)がヒロインっぽい立ち位置だが、ペクGMとのロマンス色は一切なく、
彼女の部下であるハン・ジェヒ(チョ・ビョンギュ)も、コネ入社らしい詰めの甘さを見せながらも、まったく影のないキャラクターだ。
むしろ、1年1年の成績にかけている選手たちのほうが、いろんな個性があって面白い。一見悪そうに見える奴も、結局のところ「野球が好きだから」というところに落ち着くので、クォン常務のようにとことん嫌な奴にはなりきらない。
最後に、親会社がもう球団経営を投げ捨て、解散するか、身売りするか、市民球団になるかということを模索する中で、
新鋭のIT企業に買収を持ち掛けるのだが、若いCEOにプレゼンする当たりが、もうちょっと深ければなあと、残念である。
親会社は最初からいずれ球団を手放そうとしてたんだから、もう少し前半から、市民球団の話とか、このCEOがでてくるとかすればよかったのにと思う。
たぶん事件は順番に起こるのではなく、重なり合って起こってくると思うので。
ペクGMは一つずつ問題を解決していったけれど、最初から売却ありきでいたほうが面白かったかも?
この話は別に野球球団じゃなくても、普通に財閥でも起こりえる話だと思うので、そういう企業ものとして描くのはちょっと重厚になりすぎるかな。
野球選手のトレードとか、年俸問題等々、野球を知らなくてもよく目にする話ではあるので、その裏側を一つずつ描いてみました、というくらいがちょうどいいのかもしれない。
野球好きの私としては、俳優がスポーツ選手を演じるのは、体つきの面で違和感があったりするのであまり好きではないが(だからスポーツものはアニメのほうがいいのかも)、
さすがは韓国俳優たち、背も高いしガタイもいいので、ちゃんと野球選手に見えました💦
四番打者のイム・ドンギュ選手、チョ・ハンソンでした~!
すごく久しぶりに見る。甘いハンサムだったのに、嫌みな中年選手になってた!
野球選手(みな同じユニフォームを着ている)がいっぱい出るので、
最初はみんな同じ顔に見えて、混乱した~!
そしてコーチ3人組。脇役だけど必ず3人でそろって出てくるっていうの、ほかのドラマにもありますね。
このドラマの宣伝を、里崎(元ロッテ)にさせるか~!💦
元プロ野球スター選手の里崎智也、野球ドラマ『ストーブリーグ』を絶賛! - YouTube
その年、ドリームスが優勝するかどうかはわからないのだが、
昨年、前年最下位だったチーム同士(ヤクルトスワローズ、オリックスバファローズ)が日本シリーズを戦ったのを見たので、
優勝あるなあと思いながら見ました。
【作品メモ】
韓国放送:2019年12月~、SBS
演出:チョン・ドンユン 脚本:イ・シンファ
全16話