韓ドラとソウルホテルと。

韓国ドラマのレビューブログ(基本的にネタバレ)。ときどき昔話。

トッケビ ~君がくれた愛しい日々~

yoonaの ココがみどころ!

■とにかく誰に聞いても「面白かった!」しか言わない。

■何がどう面白いのか、ぜひ自分の目で確かめたくなる。

■キム・ウンスク作品をずっと見てると、なるほど題材の料理が上手ねと思う。

■コン・ユはようやく「コーヒープリンス」から脱皮できたかも。

 

評判のすごい高いドラマだったので、
一気に見たいなあと思っていて、秋にBSで放送したのをようやく見ました。

一言でいうと、「よくできたドラマ」だと思います。
さすがキム・ウンスク作家というか。掛け合いのセリフ回しの小気味よさは相変わらずです。

よく出来すぎていてわくわくしすぎたのかなあ。

もうちょっと重厚なドラマなのかなと思ったのですが、900年生きているトッケビや死神が出るのに、
わりと軽いタッチの作品でした。
重苦しくしないところが良さなのかもしれませんが。

「死ねない」運命を背負っているトッケビのそのつらさは、コメディタッチに相殺されていましたね。
死神さんも全然怖くなくて。

コン・ユさんの久しぶりのドラマでしたけど、ヒロイン役のキム・ゴウンさんと年齢差があったせいか、
(実際はゴウンさんは26歳だったそうですが)、
私は死神さんとサニーのほうが何だかよかったなあと思います。
キム・ウンスク作家の前作「太陽の末裔」でも、

チン・グさんとキム・ジウォンさんのカップルのほうが好きでしたが。

日本人はまずトッケビとは何か、ということを知らないとちょっと入りにくいと思いました。
「鬼」と訳されますが、鬼ほど怖くはないんですね。
お化けっていえば、お化けなんですが、恨みつらみを前面に出しているわけではない。
(途中で怖いお化け、悪霊が出てきましたけど)

チ・ウンタクは、生まれる前に母親とともに死ぬはずのところを、トッケビのおかげ?で助かってしまう。
これは死神にとっては「処理漏れ」事項となり、その後、「9」の付く年齢になると死ぬ危機に襲われます。
9歳で母親と死に別れ、19歳でトッケビと出会います。
そして29歳で。

ウンタクは、三神ハルメのお告げ?で、「トッケビの花嫁」であることが運命づけられていて、
そのことによって、死者の霊が見えたりするなどちょっと変わった能力を持っています。
トッケビは、胸に刺さったままの剣を抜くことができる「花嫁」を探して900年もこの世をさまよっているんですけど、
暮らしも楽そうだし、それほど辛そうには見えません。
この世には、彼の正体を知っていて、代々お世話をしてくれる人もいます。

これって、「星から来たあなた」の時もいましたよね。弁護士さん。
確かに、誰の助けも借りずに、年も取らずに、この世で生き続けるのは難しいかも。

その話に、お互いに過去がつながっている死神とサニーの話が絡まってくる。
その辺と過去の話のつながりがうまくできていました。

死神さんの昔の名前はワン・ヨだったので、「麗」の時の高麗の皇子の誰かかなと思ったんですが、
そのワン・ヨは、高麗時代の最後のほうの設定でした。
死神には名前がないので、ウンタクにどういう名前がいいかを聞いて、

カッコいい男の名前は「ウォンビンヒョンビン、キム・ウビン」と言われて、
キム・ウビンにしたのは面白かったです。
ただ、そのあとキム・ウビン君が闘病することになったので、
死神さんの名前というのはちょっとなあ、と今から思えば、ですが。

前半を見ながら、このドラマはウンタクがトッケビの胸の剣を抜いて、
ハッピーエンドになるか悲恋になるかどっちかだな、と思ったんですが、
中盤で剣は抜かれてしまって、それからがまたドラマでした。
ドラマはすぐに9年後に飛びます。
そしてトッケビとウンタクは再会する。
ウンタクはトッケビの剣を抜いた時に、トッケビとの記憶を消されているので、
彼を見てもわかりません。
ただ、胸がチリチリする。

すべてを知っているのは、トッケビと死神だけのはずなんですが、
どういうわけかサニーも死神との記憶を失っていない。
これはどうしてなのか、よくわからないのですが、
ま、そういうことにしないと、話が長くなりますよね。
前世の因縁があるから、ちょっとやそっとじゃ忘れられないのかもしれません。
あるいは、死神が記憶を消すとき、ちょっと心に迷いがあったのかも。

死神は手を取るとその人の前世がわかるそうですが、
サニーにキスをしたときは、ドラマチックでした。
「死神のキス」ってそれだけでドラマにになりそう。
かたやトッケビとウンタクは、年齢差があるせいか、
なんかラブシーンでもピンときませんでしたね~。
高校生だからしかたないか。

前にイ・ホンギのドラマで「百年の花嫁」っていうのがありましたけど、
なんか長い時を超えて出会ったのなら、もうちょっとこっちがどきどきする感じが欲しかったですが、
全編を通して、かわいい感じでした。

財閥の御曹司、ユ・ドクファ(BtoBのソンジェ)のふるまいがちょっと変になって、
実は神が乗り移っていた、というところは、よかったです。
え?ドクファ、神なの?と思いましたが、
体を借りていただけとは。
ドクファには謎が多い、という指摘も多いようで、
いろんな人の説や想像を読んでいると、なるほどなるほど、と思えてきます。
キム・シンが死ぬところで、子役が出てきますが、その子役とドクファの子役は同じ子ですので、
彼もまた、前世とつながる何かを持っているのかもしれません。
その辺は、謎のまま、ドラマでは描かれていないので、想像が膨らむところですね。

そうそう、ドクファというのは韓国の名優の名前ですよね。(イ・ドクファさん)
偉そうな名前というのも、何かあるかも。
愛嬌のある顔だと思っていましたが、
神が憑依したときは、鋭い目つきをしていました。

サニー役のユ・インナさんは、いくつかのドラマで見た女優ですが、
このドラマの役はすごくいい役でした。
サニーもまた、仕事もせずに、いつもぽわ~っとしていて、得体のしれない感じです。

私個人的には、瞬間移動が出来たり、時間を止められたりする能力をもった人物が出てくるドラマっていうのは、
なんかずるい気がして、ちょっと引いてしまうんですよね。
そんなことができる人は実際にはいないわけじゃないですか。
ドラマを作るほうに都合がいいなって思えてしまうのです。
病気や事故という障害は出尽くしてしまったので、
最近のドラマで、過去と現在とか、異次元の人とか宇宙人が出てきちゃうのは、
ネタとして仕方がないのかなと思うのですが、
韓国独特のトッケビという存在をうまくつかって、よくできたドラマだと思いました。
トッケビはいきなり過去からきたわけじゃないので、現代の生活にうまく順応していましたしね。

死神さんのほうが、会社組織みたいになっていて、仕事人っぽくて、
そういう設定はすごくおもしろかったです。
そして私も死ぬときは、こんなかっこいい死神さんに迎えに来てもらいたいと思ったり、
もしかしたら、気づかないところで、死神や霊がうろうろしているのかなと思ったり。
ま、そんなものが見える能力がなくて、幸いでした。

あと、衣装。
お化けとか死神なのに、すごく衣装が派手でした!
コン・ユさんもイ・ドンウクさんもスタイルが良すぎて、長~いコートやカーディガンがものすごくかっこいい。
ドクファのド派手なジャケットも、なんか負けていませんでした。

でも、コン・ユは、「コーヒープリンス」の時のほうが好きかな~(^^;

 

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【作品メモ】

  • 韓国放送:2016年12月~ tVN開局10周年特別企画
  • 演出:イ・ウンボク/グォン・ヒョクチャン/ユン・ジョンホ、脚本:キム・ウンスク
  • 16話