yoonaのココがみどころ!
■パク・ソジュン、キム・ジウォン、勢いのある人気の2人をキャスティングしたラブコメ。
■財閥と貧乏という韓ドラにありがちな対比がない。みんな貧乏。
■30になっても定職につけない、今時の韓国の若者たちを描いている。
■主役のドンマンーエラカップルより、ジュンマンーソリカップルが気になる。
軽いラブコメが見たいな~と思って「サム、マイウェイ」を見ました。
序盤はドタバタ過ぎて、これ、最後まで見られるかなあと思ったんですけど、
さすがは韓ドラの威力というか、
たんなる男女関係のゴタゴタに終わらず、いろんなモノを詰め込んできました。
メインは男女2人ずつ。
幼なじみで20年来の付き合いのアラサー、ドンマンク・ソジュン)、
エラ(キム・ジウォン)、ソリ(ソン・ハユン)の3人と、
ソリと同棲中の彼氏ジュマン(アン・ジェホン)。
4人は同じヴィラの3つの部屋に住んでいます。
ドンマンはかつてテコンドーで国家代表までになったけれど、
ある事件によってテコンドーをやめ、今はダニ駆除の仕事をしながら暮らしています。
エラはアナウンサーを夢見ながら、デパートの受付で働いている。
ジュマンとソリは同じ通販の会社にいますが、ジュマンは営業の課長代理、ソリはコールセンターの契約社員。
ジュマンが学校を出て、課長代理になるまでの6年間、ソリは彼の生活を支えてきました。
誰一人、韓ドラらしいエリートがいない設定ですが、
その分、現在の韓国の若者が置かれた現状をリアルに再現している、ともいわれていたようです。
お金も学歴も後ろ盾もない中で、這い上がれないツラさを、
長い付き合いの友人同士で慰め合い、時には叱咤しながら、
それぞれの夢を追いかけていると言うところでしょうか。
夢を追いかけるには、もう30という年齢はちょっと厳しいモノがありそうですけど。
ドンマンは昔のコーチに再会し、改めて格闘技の世界に飛び込んで行きます。
エラは、アナウンサーの試験を受けては落ち、
ジュマンは、課長に昇進するために会社生活を送っている。
ソリは、ジュマンのために節約していつか結婚する日を夢見ている。
ですが、そのどれもがうまくいっていると言う訳ではなく、
どっちかといえば山あり谷あり、いろんな邪魔もはいって、つい続きを見てしまう展開に。
ドンマンの元カノは、バツイチの美人アナウンサー(どうしこの二人が付き合っていたかは謎)、
エラには、ドンマンの同級生の医者がある意図をもって近づいてくる。
急速にお互いを意識するようになるドンマンとエラ。
ジュマンは会社の新人イェジンのミスに、かつてのソリを重ね合わせ、
なおかつ彼女からの猛アタックに浮気心をくすぐられている。
そのことに気づいているソリ。
長年友人関係にありながら、
お互いを男女として意識することのなかったドンマンとエラのこれから始まる恋愛と、
カップルとして倦怠期を迎えているジュマンとソリの終わりかけた恋愛の2つが、
彼らそれぞれの夢と絡み合って行きます。
パク・ソジュンとキム・ジウォンは美男美女なので、
どうしてもそっちの恋愛がメインになりがちですが、
見ていると、どういうわけかジュマンとソリの関係がどうなるのかが気になります。
ジュマンの家族に気に入られようとするソリと、ソリに家の雑用をさせるジュマンの家族、
そこまで娘に卑屈な思いをさせたくないソリの母親の気持ちとか、妙にリアルです。
ジュマンの風貌がいわゆるイケメンじゃないというのも、なかなかリアルですし、
気は優しくて力持ちというか、頼まれたら絶対断れない優柔不断なところもあって、
こういう男っているよな~と。
パク・ソジュンよりは、絶対近くにいると思います。
子供たちが長い付き合いであると同様に、親たちもお互いに顔見知りで、
それぞれの置かれた現状から、子供たちのことを思う気持ちも描かれています。
そして4人が住むヴィラの大家が、そこにどんどん入り込んできて、意外な展開に。
とにかく、4人とも30歳くらいですし、軽いのから濃いのまで、
なんかすごくキスシーンの多いドラマでした。
ドンマンもエラもふだんはジャージを着る生活をしていてすごくがさつなのに
さすがに真剣な表情をすると、ドキッとするほどです。
お気に入りの俳優がいたら、こういう軽いラブコメは一度はやってほしいと思う類いのドラマだと思います。
キム・ジウォンさんは、「太陽の末裔」でのチン・グさんの相手役の軍医の役がすごくよかったので、
次回作は期待されていましたけど、
今度は全く違う、学歴もキャリアもお金も何もない役でしたが、
彼女のかわいらしさが引き立っていました。
このドラマの監督が、キム・ジウォンと言う女優はもちろんきれいだけれど、
どんな男優とも釣り合うと言っていて、なるほどそうだな~と思いました。
きれいだけど、そのきれいさが相手を引き立たせるというか。
ドンマンが格闘技を始めてから、格闘技のシーンが増えます。
エラは、ドンマンが格闘技をやることに反対します。殴られるのを見たくないと。
私の母もボクシングとかを見るのが大好きでしたが、
息子がやるといったら反対すると言っていたことを思い出しました。
ドンマンにはもう一度格闘技をやらなければならない理由、
トラウマというか、があるんですが、
エラは最後までそれを理解しませんでしたね。
見終わって、またこの4人はどうなるかわからないな~と思いましたが、
こんな友人たちがいたら、なんとかやっていけるんだろうなとも思えました。
それくらい、お互いに率直であり、思いやりがありましたね。
4人が暮らすナミルヴィラは、古い建物ですが、階段状のところに建っていて、
とても趣きがあるところです。
屋上に4人だけの「ナミルバー」からの景色はすばらしくて、
ロケ地は釜山だそうですが、韓国の友人たちはこういう隠れ家を作るのが上手だなあと思いました。
「君を愛した時間」でも、イ・ジヌクとハ・ジウォンは屋上に隠れ家を持っていました。
タイトルの「サム、マイウェイ」ですが、
韓国では主役をニマイ、脇役をサンマイというそうで、
日本語の二枚目と三枚目と同じ使い方だそうです。
だから、「サンマイの道」という意味にも引っかけていて、
かれらが社会において決してメインストリートを行っているわけではないけれど、
それぞれに思い描く道がある、と言う意味もあるとか。
【作品メモ】
- 韓国放送:2017年5月~ KBS
- 演出:イ・ナジョン/キム・ドンフィ、脚本:イム・サンチュン
- 16話