yoonaのココがみどころ!
■古代朝鮮が舞台のイケメンパラダイス
■セリフも若いし、花郎たちは踊ります
■イケメンに押されて、コ・アラちゃんのロマンスが希薄。
24話、なんかけっこうおもしろかったです。
古代朝鮮の花郎ってけっこう有名ですけど、
ドラマになったのはこれが最初だそうです。
映画では「霜花店」で出てきました。
王様のチュ・ジンモさんを守る美しい衛兵たち。
ソン・ジュンギさんのデビュー作でしたよね、確か。(違ったかな)
調べたら、確かに文武に優れた若者たちで作った兵士だそうですけど、美男揃いだったかどうかという証拠はないそうです。(残念)
前半は花郎という組織ができるまでと、
アロ(コ・アラ)をめぐるソヌ(パク・ソジュン)とチヌン(パク・ヒョンシク)の三角関係のドタバタがメインだったんですけど、
その裏でひそかに、王権争いっていうのがじわじわと来ていました。
李王朝時代よりも王権はずっともろくて、
太后チス(キム・ジス)は、息子が大人になって王座に就くまで、敵から息子を隠し、自ら摂政となって権力をふるうのですが、
例によって大臣たちがなかなか一筋縄ではいかないやつばっかりで、言うことを聞かない。
当時は王になるには聖骨(ソンゴル)という、王室にだけの正統な血筋が必要だったんですけれど、
これがこの話の大きなポイントです。
チヌンは王様ですから聖骨ですけど、アロは父親(医者のアンジ)は聖骨だけど母親は賤民なので「半分」と言われる。
ソヌは城外の賤民の村の育ちなので、人ですらないわけです。
ソヌって言ってるけど、「ソヌ」という名前は、本当はアンジ(チェ・ウォニョン)の息子の名前で、彼の名前はない。「ムミョン(無名)」と呼ばれていました。
アンジは実はチソの思い人だった人で、でもアンジは身分の低い女と一緒になって、ソヌとアロという子どもが生まれます。
チソはアンジに未練たらたらで、ソヌとその母親を殺そうとしたわけですね。
ソヌは危害を免れて賤民の村に預けられて成長し、養父になった人が一緒に育てていたのがムミョン。
ああ、ややこしい。
本物のソヌ(イ・グァンス)は殺されて、代わりにムミョンがソヌを名乗ることになります。
で、アロはソヌの妹だから、ムミョンもアロの兄になる。
でも、どういうわけか二人は惹かれあうんですよね。
そのあたりでは、これは古代近親相姦の話なのかと思っちゃいました。
まあ、偽ソヌは兄ではないと知っているんですけれど、
兄弟のように育ったソヌの妹ですから、守らないといけないと。
アロは、花男でいうところのクム・ジャンディ的な役回りで、明るくて快活、だけど「半分」なので父の手伝いをしながら医療的な仕事をしたり、
話がうまいので、楼閣で作り話を聞かせたりしています。
アロとチヌンも最初はロマコメにありがちな、ちょっとかちんとくる相手、
なのに、チヌンの方はどんどん惹かれていくんですよね~。
王子ってどうしてそうなの^^;
当然、血筋正しい王家だからいいなずけがいます。
これが「妹」のスンミョン王女(ソ・イェジ)と。
「公主(コンジュ)」と言っていますから、腹違いなのかもしれません。
いや、違うな、チスのことをオモニって言ってますし。
古代朝鮮は同腹でも結婚してたのかも。
そういやチヌンは「おぞましい結婚」とかなんとか言ってたような。
ともかく、隠されている兄の顔は知らないようです。
体が弱かったらしいですが、武術が強くて、気が強い。
古来「花郎」は王家を守るものとして組織されてたようで、チソもそれにならって「花郎」を作ります。
でも王室に敵対している大臣の子息たちもそこに入ってくるんです。
父親と息子をつなぐだけでも、ドラマの前半を使っちゃいます。
けっこうみんな似たような顔をしているのよね。
同じヘアスタイルだし、同じ制服だし。
それでけっこう「濃い」顔をキャスティングしたと思います。
キム・パンリュ(ト・ジハン)は一番偉いキム・ハンソルの養子。
実父は腰ぎんちゃくのように大臣に付き従っています。
スホ(SHINeeのミノ)は2番目くらいの大臣の息子。
プレイボーイでかわいい妹(スヨン)がいます。
この妹があろうことかパンリュに惚れちゃう。
スホはどういうわけだかチソに惚れちゃうんですよね~。年増好きだったの。
イケメンがそろうと一人くらいはいる「男色」というのもいます。
あと、BTS(防弾少年団)のV君、ハンソンは、落ちぶれた家の嫡男で、
武道にすぐれた兄は母親の身分が低いために家を継げないけど、
祖父の「お家再興」の期待をたくされたハンソンは「花郎」に入れられちゃう。
でも彼は剣術が得意じゃなくて、天文学が好きっていう、思いっきり純なタイプの子なんですよね。
私はこのV君のキャスティングはなかなかいいと思います。
彼の子犬っぷりが中盤から炸裂します。
区別のつかない花郎もいろんなエピソードが出てくると、だんだんわかってきます。
花郎を率いる風月主(プンウォルチュ)が、ソン・ドンイルさんで、
一番怖い大臣がキム・チャンワンさん。
もうこの辺が出てくると、単なるラブコメじゃなくって、何を考えてるのかわかんない状況になります。
キム・ジスさんは、息子が大人になるまでじゃなくて、ず~っと権力の座にいたいみたいですし、
チソの兄っていうのが出てくるんですけど、これがまた何を考えているやら。
登場人物としてはこんなところでしょうか。
あと、忘れちゃいけない百済の王子、キム・ミンジュンさんね。
それから身を隠すチヌンに付き添う護衛兵士のおじさんが、とってもいい味を出します。
新羅王朝の王座争い、そして王様と賤民の女争い、の話です。
相変わらず、いろんなテーマがてんこ盛りです。
当然いつも、描き切れないことが出てくるんですけど、
このドラマは事前制作なためか、最後がきれいです。
コメディを交えたがために、
王家の血筋ではあるけれど、王になるのはどうすればいいか、どういう国を作りたいかで悩むチヌンと、
賤民から「半分」(アンジの息子として)になり、
最後に聖骨であったことが判明して、チヌンと対立することになる、
その短い間にムミョンの体験する混乱は、
ちょっと都合よく描かれているようにも見えます。
まあ、それが重くなりすぎなくて、24話のドラマとして見るにはちょうど良いかも。
内容的には50話くらいあったらもっとすごそうと思いますが。
この時代、王族以外は女の身分なんてあってないようなものだったと思いますが、
アロは医術もできたし、話術も達者だったので、
外部者立ち入り禁止であるはずの花郎たちの住まい、仙門に自由に出はいりできることになります。
これはまあ、花男のクム・ジャンディがお金持ち学校に入れちゃうのと一緒ですね。
とにかく同じ空間にいないと、話が進みません。
ムミョンがソヌになり、花郎になるくだりも、けっこう強引なんですが、
とにかく主要登場人物は王宮と仙門に集められます。
王でありながら花郎になったチヌンですけど、
まずアロに知られ、風月主に見破られますが、
百済でソヌが「自分が王である」と言ってしまったがために、話は大混乱。
ソヌは王として、命を狙われるようになり、一方では、アロを挟んで、チヌンとは対立するようになり。
チヌンがアロに惚れたあたりから、話はややこしくなりますね~。
スンミョン王女がソヌに惚れてるので、やきもちの一方通行みたいな感じで。
ソヌ―アロ兄妹はなんだか勝手に盛り上がり、
チヌン―スンミョン兄妹はしらっとした感じで。
長~い時間をかけて毒を盛られるチソと、ソヌ―アロの父親であるアンジの関係も、中盤までは曖昧でした。
アンジもどっかチソに心を残している感じでしたね。
本当は妻と息子を奪われ、すごく恨んでいたのに、
チソがきれいだったから(キム・ジスさんだったから)でしょうねえ。
チソ、おっきな息子までいるのに、花郎のスホが惚れちゃうくらいだから~。
王の母とかいうと、いつもすごく怖そうな女優さんがやることが多いので、
キム・ジスさん、最初はちょっと線が細い感じ~とか思ったんですけど、
そういうところが、アンジがどっか恨み切れないとこかな~なんて思ったりして、
そういう狙いもキャスティングにはあったかもしれません。
花郎どうしの友情、というか、お互い敵対している家の子たちなので、
最初は気まずそうだったんですけど、
花郎を使っていろいろ画策する大人たちに翻弄されながら、
若者同士らしく、お互いを知るうちに心を開いていくっていうのは、話としてはよくできてたと思います。
その辺を若い俳優たちが、うまくやらないと、陳腐な話になっちゃうところでしょう。
老練な大臣たちの持ち駒にされそうなところを、
若い王に従って、新しい国を造ろうとするところは、良かったですね~。
途中、本当の王はだれなのか、っていうあたりで、
ドラマの中も、見ているこっちもそわそわするところがありました。
ソヌの正体がわかってくるあたりです。彼は自分ですら、自分が何者であるか知らなかったわけですから。
チヌンにとっても、花郎のなかで力が拮抗していようと、そもそも身分の違いがあるわけですから、
本気で相手にしてはいなかったと思いますが、
身分的にも自分と対等であるとわかってからは、ドラマも面白かったです。
私、ヒョンシクくんが、アロに結婚しようというところ、大好きな場面です~。
国を守る王として生きることと、アロと平凡な人生を歩むことの選択を迫られてて、
アロにその答えを託したのよね~。
半分はアロが拒否するとわかってて聞いたと思いますが。。。
ソヌは王として担ぎ上げられようとしましたが、
最後のちょっと前まで、どうする気なのかわかりませんでした。
新羅24代はチヌン王ですが、ソヌにはそもそも名前がないのですから、
もしかして彼が王位についてチヌンを名乗ることもあるのかな~と思ったり。
でも、アロの気持ちは全然チヌンに向いてなかったので、
まあ、アロはソヌと添い遂げて、チヌンは仕方なく王様になるのがありそうな筋だなあと思いながら、
最後の3,4話を見ていました。
チヌンは「半分」のアロを正妻にはできないでしょうし~。
というオチはともかく。
私がこのドラマで最高にショックだったのは、ハンソン(V君)の死ですよ~!!!
え~?? マジ?? ここで??という死に方でした。
ハンソンと兄のタンセの話は、ドラマ的には脇の話でしたが、
この時代、身分ということが大きく人生を左右したこと、どうすることもできなかったことを、象徴的に示したエピソードでした。
V君のかわいさが、中盤以降炸裂するんですが、
それによって彼の死の悲劇性は、かなり増したと思います。
ここでけっこう能天気だった花郎たちも、
世の中が理不尽だということを感じました。
それが、「世の中を変えなくては」という思いにつながっていく。
ソヌがいくら王にふさわしいと周囲が認めても、「聖骨」という血筋を得るまでは、
さすがに王様になるのはね~という空気がドラマに流れています。
でもソヌが聖骨だとわかると、雰囲気がガラッと変わります。
でもソヌが王になるっていうことは、旧勢力の力が残ることでもあり、最後は花郎がどっちにつくかが分かれ道でした。
チヌンはドラマの早い段階で、どういう国にしたいか、という意思表示をしていますね。
でも方法が分からない。力もない。
それを花郎として後押ししていく、身分の差のない新しい国を作るというのが、
ソヌと若者たちが出した答えです。
(史実はどうあれ)
ソヌの成長は、花郎たちが、彼についていくということを決めさせるだけの理由となったわけです。
はぁ~、そのために一番かわいいハンソンを殺したの~。。。
韓ドラはこういうところ、本当によくできていますよね。
それと、アロのヒロイン像ですね。
チソやスンミョンの見せる気の強さとはまた違った、
現代風なキャラクターでしたが、
コ・アラさん、ここというときには、バッチリメイクで、きりっと美しくて。
いつも筋が通っていました。
敵対する家同士で、ロミオとジュリエット的な感じでしたけど、
(二人が仙門の塀越しに会うところとか)
それほど悲劇的にならずに良かったというより、かなりコミカルでした。
彼は養子の身でツライ思いをした分、ご褒美的な感じでしたが。
というわけで、「花郎」面白く見ました。
【作品メモ】
- 韓国放送:2016年12月~ KBS
- 演出:ユ・サンシク 脚本:パク・ウニョン
- 20話