韓ドラとソウルホテルと。

韓国ドラマのレビューブログ(基本的にネタバレ)。ときどき昔話。

トライアングル

 

yoonaのココがみどころ!

■トレンディではなく、ちょっと古い感じ(韓ドラブーム初期)のストーリー

ジェジュンのチンピラっぷりがいい

■私のひいきは、ミン社長

 

舞台設定も展開も古い感じの韓ドラですけど、

私個人的には、カジノ、ディーラーを目指す女子とチンピラっていうだけで、キュン!とします。

「オールイン」を彷彿とします。

 

このドラマ、舞台はソウルではなく舎北(サボク)という田舎なんですが、

そこのホテルとカジノは、シェラトン・ウォーカーヒルがロケ地です。

調べたら、舎北というのは、江原道にあって、国民向けのカジノができた町なんですね。

 

ドラマのメインは、幼いころに孤児院にいて、別れ別れになった3人の兄弟の話。

チャン・ドンス(イ・ボムス)は二人の弟をいつか助けるために孤児院を脱出。

乳飲み子だったヤンハ(イム・シワン)だけがもらわれていき、一人残されたヨンダル(ジェジュン)は孤児院を脱走し一人で生きていかなくてはならなくなりました。

長じて、長兄のチャン・ドンスは刑事に、次男のホ・ヨンダルは田舎町のチンピラに、そして末っ子のユン・ヤンハは、町にカジノを誘致したテジュングループのユン・テジュン会長(キム・ビョンギ)の養子となっています。

 

田舎町のカジノでの利権争いにヤクザが絡み、それを刑事が追う。

そこで別れた3兄弟の人生が交錯します。まだお互いが兄弟であることも知らずに。

 

しかし、このドラマ。

韓国の俳優にこれほど悪役顔の俳優がいたかと思うくらい、次から次へと人相の悪い顔が出てきます。

裏社会っていうか、これがよくある韓国社会なんじゃないの?と思うくらい。

でも同じ俳優が高貴な役をやるときはみなさんさらっとそれ風の顔になりますから、俳優さんって不思議ですね。

 

私はもうジェジュンのチンピラぶりがたまりません~。

きれいな顔だけど、チンピラ、上手ですよね。

チンピラが上手ってほめ言葉なのかわかりませんけど、

きれいな顔だけに女もほっておかないし~。

 

このドラマではヒロインが「暗」の部分をあんまり背負っていないので、そこらへんが弱いかなと思うのです。

オ・ジョンヒ(ペク・チニ)、2人の男(ヨンダルとヤンハ)を惑わす割には、普通っぽいんですよね。

そもそも学校でも成績はびりだったという設定なので、あまりオツムが良くなさそうにしているのかもしれません。

そんなのでカジノのディーラーができるのかしら?と思うのですが。

 まあ、「闇」ばっかりな男たちの話なので、1人くらい「真っ白」なタイプがいたほうがいいのかもしれません。

兄弟が生きてきた泥沼に咲く睡蓮の花みたいな感じでしょうか。

ジョンヒがあまり打算的な女だと、ヨンダルじゃなくヤンハをすぐ選んじゃいそうですしね。

 

最初から、ホ・ヨンダルの生い立ちがかわいそうって知ってて見てましたけど、

どうしてかわいそうなことになるのかっていう過程は知らなかったので、観終わってほっとしてます。

ものすごくいろいろあった彼の人生です。

いろんなことが少しのことで避けられたのではないかと思うことも多いのですが、全部を自分の身に引き受けた感じです。

その「いろいろ」の部分は、いろいろ飛ばしてました。

さすがに26話もあると関係者多すぎで、誰がどうしていつそうなって、この先どうなるのかまでは描ききれてない感じで。

最後の最後など、ヨンダルがあのままバイクで事故に遭って死ぬんじゃないかとさえ思いました。

 

勧善懲悪というか、悪い人はみんなそれなりの最後になりました。

コ・ボクテ(キム・ビョンオク)もピルスン(チャン・ドンジク)も刑務所に入れられちゃうのに、一番ワルのユン・テジュン会長(キム・ビョンギ)は自殺じゃちょっと、と思いました。

 

私の最大の「?」は、長兄であるドンスが、中盤で警察を辞めて以来、まるでヒモ生活であったことです。

出てくるたびに、「仕事してないよね」「まだプーだよね」「ファン先生(オ・ヨンス)の家に居候だよね」と思いながら見ていました。

ヨンダルはなんだかどんどん大金を動かしているのに。

兄としては弟に正しい道を説きながら、時には用心棒のように暴力をふるったり、最後は警察を押しとどめてコ・ボクテに襲い掛かり、やくざの大親分に留められる始末。

 

最後は女(ファン先生)を追ってアメリカに行きましたけど、ヒモになることを心配したヨンダルがクレジットカードをくれてしまうし・・・。

 

ヨンダルはお金を持ってからは、荒れ狂わずにすむ方法を覚えたようです。

オツムは弱そうだけど、美人の彼女もいるしな~。

 

私はこのドラマで一番かっこよかった女性は、なんといっても「ミン社長」(チョン・ソヒ)だと思います!

ファン先生なんか途中でいなくなって、患者だったヤンハが死んじゃっても戻っても来ないし。

(真相は、オ・ヨンスさんがドラマの途中でご主人についてアメリカに行っちゃったので、ドラマでもアメリカに行っちゃうことになったらしいです^^;)

 

ヤンハをどうして死んじゃう結末にしたのかなあってずっと思っていたんですが、最後にヨンダルが崖の上で「愛する人がいるものが強い」って言うセリフがありますよね。

つまりヤンハは結局最後まで誰も愛することも信じることもできなかったから、生きてはいられなかったということなのかなあと、勘ぐってみました。

 

そういえば、ユン・テジュン会長にもコ・ボクテにも、奥さんの影が見えませんねえ。

会長なんかわざわざ孤児院の子を養子にもらうほど、家族がいないみたいだし。

 

そして、ヨンダルを陰から助けてくれていたアン会長(チョ・サンゴン)が死んじゃったのか。BS版がその辺をカットしたのかどうかわかりませんけど、遺言通り、カジノの株をもらったから亡くなったんでしょうね。

刑務所でヨンダルが世話をしてあげたときから、あ、このおじいさんは塀の外ではけっこう権力者と思っていましたけど、あの人いなかったらヨンダルは結構あぶなかった。

 

コ・ボクテが最後、腹心のスチョン(ヨン・ホミン)にも捨てられちゃいますが、物語ではどっちかっていうと、あちらの世界の方々の義理人情に厚い部分がクローズアップされてたと思います。

韓ドラでは、ピルサンのような高学歴・高性能な奴の方が、あっさり恩を忘れると思います。

 

ちょうど、昨日、韓国ロッテの会長に逮捕状が出て、どっちがドラマだかわかんないような状況になっていますが^^;

きっと裏切ったやつもいるのでしょうね~と思います。

 

そしてやっぱり、韓国では血縁というか、親兄弟に対する思いが強くて、時に厳しい。

情に厚い分、情け容赦ないところもあって。

ドラマをBS放送で見てたんですが、間に「大塚家具」のCMが入るんです。

これ、わざとここに入れたの?っていうくらい、親子で経営を争っているときに入るとか、タイミングよくて。

 

脚本家は「オールイン」に続いて、カジノを舞台に選んだわけですけど、

結局、企業の経営とかお金とかへの執着が、人の人生を狂わすということも言いたかったのかなと。

ドラマを見て、やっぱり欲を張ってはダメよね~ということは、強く思いますが、

人に分け与えるほどのものがないと、なかなかね~、とも思ったりします。

 

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【作品メモ】

  • 韓国放送:2014年5月~ MBC
  • 演出:ユ・チョリョン、脚本:チェ・ワンギュ 
  • 26話