yoonaのココがみどころ!
■他人に対して「優しい」ということがどういうことなのか考えなおしてしまう。
■優しくされていることに気づかないことが一番罪だなあ。
■青森でロケ。ソン・ジュンギとムン・チェウォンの美しいキスシーンは弘前城をバックに。
見終わって、タイトルの「優しい男」という意味がよくわかったような、かえって分からなくなったような・・・。
確か韓国でのタイトルは「世界で一番優しい男」でしたよね。
主役の男、カン・マル(ソン・ジュンギ)を優しいとみるかどうかで、このドラマの見方は変わります。
一般的な意味でいちばん優しかったのは、マルの友達のチェギル(イ・グァンス)だったと思いますが。。。
物語は優秀な医学生のマルが恋人のジェヒ(パク・シヨン)の犯した殺人の罪をかぶって懲役刑に服することから始まります。
ジェヒをかばうことが彼にとって「愛」でした。
出所するとジェヒはテサングループの会長の妻になっていて子どももいました。義娘のウンギ(ムン・チェウォン)もいる。
飛行機の中で倒れたウンギをマルが治療して助けたことで、マルとジェヒがつながります。
このウンギって娘がまた気の強い傲慢な性格で。。
マルを取り巻く二人の女、ウンギとジェヒは、優しさのかけらもなくて、見れば見るほど腹が立ってきます。
でも彼の優しさが女たちを引き付けて離さないのですね。女たちがどうして自分がこれほど優しくされるのか、気づいていないかのようです。ほんとは彼の復讐なんですけど。
いや、そもそもマルはどうしてジェヒなんかに惚れていたのか。
単純に美しいから? 頭の良い男でもそんなもんなのでしょうか。
ジェヒのやることなすこと、頭の悪さがいちいちでていますし、欲の深さは相当なものです。よけいにマルがどうして?と思ってしまう。
会長が死んでウンギが事故で記憶を失って、ジェヒがグループの経営権を握ってしまうことに至っては、なんだかあきれてしまいます。
そのウンギの自動車事故は彼女の運転ミスが引き起こしたとはいえ、対向車に乗っていたのはマルとか、もうドラマ以上にドラマすぎます。
ウンギはドラマのヒロインですから、死んだりはしないのですが、ジェヒにとって都合のいいことに記憶を失い、読み書きもできなくなっている。
この辺の展開がものすごくイライラする。
でもこれが韓ドラを見る醍醐味です。
将来を嘱望された医学生だったマルは前科のために医者になることはできませんが、頭の良さをつかって(?)詐欺師になります。(なんて展開(^^;)
ウンギの事故後は彼女の婚約者として、テサングループの経営にかかわるようになる。
そんなうまいこといくかと思うけど、それがドラマ。
もうどんどんマルの本心がわからなくなって、混乱してきます。
どのタイミングでウンギを愛してしまったのか。
マルとウンギ、チョコとジェギルの2つのカップルが同じ家で暮らしているときは、ひと時の安らぎで幸せな時間でした。それもウンギの記憶が戻るまで。
最後の4話くらいは、ウンギの記憶が戻ってるのか、マルが好きなのが本当はジェヒなのかウンギなのか、「あれ?あれ?」という展開です。
ウンギは記憶をもどして、復讐を考えていましたね。
最終話が始まるところでは、「マルがどうやって死ぬのか」というところに関心が移ったんですけど、
もう、死ぬっきゃない展開でした。
病気で死ぬのか、自ら死ぬのか、殺されちゃうのか・・。
思いもよらない展開でしたが。。。
いい迷惑なのは大会社テソンで真面目に働いていた社員のみなさんですよね。
上層部の愛欲に振り回されて・・・。
純粋にお金に目がくらんでいたのは、ハン・ジェヒだけです。
アン弁護士(キム・テフン)は、すっかりジェヒに骨抜きにされててMっぽいし、
パク・チュノ弁護士(イ・サンヨプ)を動かしていたのもソ・ウンギが好きだからっていうことだけですし。
自分が好きな相手の思うようにしてあげたいというのは、優しいというより自分の性格が甘いというだけですけどね。
その点、カン・マルの優しさは、周囲の人すべて、妹のチョコ(イ・ユビ)はもちろん、自分を殺そうとしたジェヒの兄(ヤン・イクチュン)にまで向いています。
この兄がまたものすごくいやなやつ。
そもそも、自分をこんな境遇に生んだ親にさえ、怨みは抱いていないように見えます。
でもそのために、マルはどんどん、自分を追い込んでいきます。
辛い生き方です。
ま、そもそも論を言うと、最初の殺人の犯人がマルじゃなくてジェヒだって、もうちょっと簡単にわかりそうなもんですよね。
あいかわらず、警察が手ぬるい韓国ドラマ。(いやこれは警察ドラマじゃないから)
ラストは・・・。
めでたし、めでたしですけど、
いやあ、私はちょっと気に入りませんね。
平凡に生きるというマルの願いはかなえたかもしれませんけど、
記憶はないけど知識はあるっていうのが都合がいいし。
殺人の罪を着せられなかったら生きていたはずの人生ということなんでしょうけれど。
その時はそれがジェヒに対する愛情だと思ってた、それは間違いだったというセリフがありますが、マルがそのことも覚えているといいですが。
ひさびさに重苦しいドラマでした。
それだけに見始めるとやめられない。
このカン・マルという役を重々しくなく、他人に優しいなんて自分にとっては当たり前というくらいに、ひょうひょうと演じたソン・ジュンギ、よかったです。
【作品メモ】
- 韓国放送:2012年9月~ KBS
- 演出:キム・ジンウォン/イ・ナジョン 脚本:イ・ギョンヒ
- 20話